「朝がどうしても苦手」「アラームを止めても布団から動けない」──そんな経験をしたことはありませんか?つい「自分の意志が弱いから」と考えてしまいがちですが、実際には心身の不調や生活習慣の乱れが深く関わっていることが多いのです。
「じゃあ、具体的に何をすれば改善できるの?」と思った方もご安心ください。
この記事では、朝起きられない理由の整理、すぐ実践できる改善策、病院を受診すべきサインをまとめています。精神論ではなく、科学的な知識を味方につけて少しずつ変えていきましょう。
1、「意志が弱いせい」ではない!朝起きられない本当の理由
「朝起きられない=怠け」という見方は根強いですが、実際には医学的・心理的な理由が関わっています。
遅刻や寝坊=努力不足と誤解される
朝が苦手でも「気合さえあれば起きられる」と思われがちであり、本人も「自分はだらしない」と自己否定に陥りやすいのです。結果、努力不足と思ってしまいます。
「自分は怠けている」と思う → ストレス増加 → 眠りが浅くなる → 起きられない → さらに自己否定…
こうした負のループに陥ると、改善はますます難しくなります。大切なのは「意志」ではなく「体の仕組みと環境」が関係しているという視点です。

しかし、それは正しい理解ではありません。思い込みが余計にストレスを増やし、改善を遠ざけている可能性があります。正解はそこではなく自分の生活スタイルや病気にあるかもしれません。
科学的に見た「起きられない理由」
体内時計:夜型体質は遺伝の影響もあり、意志の力で修正しにくい。
メラトニン分泌の抑制:ブルーライトを浴びると眠気ホルモンが減り、浅い眠りに。
自律神経の不調:ストレスやホルモン変化で体が休まりにくく、朝も疲労感が残る。
※メラトニン分泌:自然に眠気を誘うこと
※自律神経:呼吸や体温、血流などを無意識にコントロールする神経。
2、朝起きられない人に多い主な原因
朝起きられないのは単純な理由ではなく、複数の要因が組み合わさって起こることがほとんどです。
身体的な要因
睡眠不足:
国立精神・神経医療研究センタ(2021年)によると、日本人の約4割が1日6時間未満しか眠れていません。十分に眠れないことで翌朝の目覚めが悪化。
※7時間以上の睡眠が理想ですが8時間以上寝過ぎも逆効果なので注意しましょう。

低血圧:

低血圧は脳や体内の血液がうまくまわらなくなり、朝起きるのが困難意外にめまいと立ちくらみ、疲れやすさを引き起こしてしまいます。
日本循環器学会(2022年)の報告では、特に若年層女性に多く、強い眠気や朝のだるさの原因になる。
睡眠時無呼吸症候群:
厚生労働省(2023年更新)は、寝ているときに呼吸が途切れることで熟睡できず、日中の強い眠気や頭痛を引き起こすとしています。また、原因は肥満によって気道が狭まることで起こります。
精神的・環境的な要因
1. ストレスや不安が強い
仕事の疲れや悩みを抱えたままだと、脳が落ち着かず「張りつめた状態」で睡眠に入ってしまいます。すると眠りが浅くなり、朝まで疲れが残ってしまいます。
- 日本の調査(2023年)では、強いストレスを感じている人ほど「寝起きがすっきりしない」と答える割合が高いことが報告されています。
改善策
夜はスマホや仕事から離れ、軽いストレッチや深呼吸で心を落ち着けましょう。日中の軽い運動も、ストレスを和らげて深い眠りにつながります。
2. 浅い眠りが続く
夜中に何度も目が覚めたり、眠りが浅いと、体は十分に回復できません。その結果「寝たのに疲れている」状態が続きます。
- 日本成人の15〜25%は、不眠症状(眠りにつきにくい・夜中に目が覚めるなど)を持っているとされています(2021年)。
改善策
寝る前は部屋を暗く・静かに整え、カフェインやお酒を控えると深い眠りが得やすくなります。
3. 夜更かしで体内時計がずれる
夜更かしや不規則な生活は、体内時計を後ろにずらしてしまいます。そのため、朝になっても体が「まだ眠い」と感じやすくなります。
- 海外の研究(2024年)では、夜勤や生活リズムの乱れは、睡眠を誘うホルモン「メラトニン」の働きを不安定にすることが確認されています。
改善策
休日も含めて起床時間をそろえることが、リズムを取り戻すのにはかかせません。朝起きたら日光を浴びることで、体内時計が自然に整いやすくなります。
4. 起きる理由がない
「起きても特にやることがない」と感じると、脳は「もう少し寝ていてもいい」と判断します。それは自分にとってメリットを感じず予定がない日が続くと、二度寝の習慣がつきやすくなります。
改善策
朝に「ちょっと楽しみなこと」を入れてみましょう。散歩・カフェでコーヒー・好きな音楽を聴くなど、小さな予定で十分です。「起きる理由」があると自然に布団から出やすくなります。
子どもや思春期に多いケース

日本小児科学会(2020年)は、思春期の子に多い「起立性調節障害」を報告。強い眠気や立ちくらみ、頭痛を伴い、学校生活に支障を与えます。
大人でも似た症状はありますが、子どもの場合は早めに小児科で相談するのが望ましいとされています。
「目は覚めているのに体が動かない」状態
交感神経の切り替えがうまくいかず、体が重くて動けないことがあります。これは精神力の問題ではなく、ストレスや生活リズムの乱れによる生理的現象です。
生活習慣を見直し、リラックスできる環境を整えていく必要があります。
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※交感神経:活動的なときや緊張・ストレスを感じたときに働き、心拍数を上げたり、血圧を高めたりして体を素早く動ける状態にする神経。
3、すぐに試せる!朝起きられない改善策【4選】
改善には「毎日できる小さな工夫」が大事です。それぞれの改善策を行い、朝に強くなりましょう。
睡眠環境を整える
・光目覚まし時計(例:フィリップス「スマートスリープ」)
・遮光カーテンやアイマスクで安眠を確保
・周囲の音が邪魔な場合は耳栓やホワイトノイズで騒音を減らす
生活習慣を見直す
・就寝・起床時刻を固定し、体内時計を安定させる
・寝る30分前からスマホ・PCをオフにする
・軽い運動(ストレッチ・ヨガ、ランニング)を日課にする
朝のルーティン作り
・カーテンを開けて日光を浴びる
・軽い体操で血流を促進
・コップ1杯の水を飲んで体を内側から刺激する
サプリやアプリを補助的に活用
・サプリ
1、グリシン配合サプリ
アミノ酸の一種「グリシン」を配合したサプリメント。深い眠りをサポートするとされ、「眠っても疲れが取れにくい」と感じる人におすすめです。寝る前に摂取するだけで取り入れやすいのも魅力のひとつ。
(参考サイト)
- グリンサプリのおすすめ人気ランキング(my-best) https://my-best.com/3710 マイベスト
- 睡眠サプリ(グリシン配合含む)の紹介ページ(my-best) https://my-best.com/15411
2、キユーピー リラーレ
食品メーカーのキユーピーが開発した睡眠サプリメント。
独自の成分が休息リズムを整え、快適な眠りをサポートします。30日分から試せるので、睡眠サプリを初めて利用する人でも安心して始められます。
【公式】キユーピー リラーレ 30日分(60粒) 睡眠サプリ https://item.rakuten.co.jp/kewpie-blueflag/62117/
・アプリ
1、Sleep Cycle 公式サイト: https://sleepcycle.com/
眠りの深さを自動で測定できる目覚ましアプリ。
浅い睡眠状態を狙ってアラームが鳴るため、自然な良い目覚めになりすくなります。自分の睡眠パターンをグラフで確認できるので、「自分の眠りの傾向を知りたい人」に最適です。
2、熟睡アラーム :https://apps.apple.com/us/app/sleep-cycle-tracker-sounds/id320606217
日本国内で人気の高い定番アプリ。
睡眠の記録機能に加え、リラックスできる環境音や多彩なアラーム音が利用可能です。カレンダー形式での表示もでき、毎日の眠りを楽しく管理できます。
3、SleepTown :https://play.google.com/store/apps/details?hl=en_US&id=com.northcube.sleepcycle
早寝・早起きをゲーム感覚で習慣化できるユニークなアプリ。設定した時間に就寝・起床を守ると、アプリ内で街が成長していきます。夜更かししがちな人や、楽しみながら生活リズムを整えたい人にぴったりです。
⚠️ サプリとアプリはあくまで補助手段です。合わなければ中止し、必要に応じて医師へ相談を。
病気の可能性と受診のサイン
セルフケアで改善しない場合、病気が背景にあるケースも考えられます。
受診を検討すべき症状
あくまで参考程度ですが、自分の日常と比べて受診検討を考えるきっかけにしましょう!
1、強い眠気が日中も続く
2、一日中だるさが取れない
3、頻繁に頭痛や立ちくらみがある
4、気分の落ち込みや意欲低下が長引く
5、2週間以上改善せず、生活に支障が出ている
受診するならどこ?
受診を検討した場合自分はどこに見てもらうか抑えておきましょう
・内科:体調や血圧の確認したい場合
・心療内科・精神科:うつ病や強いストレスが疑われるとき
・睡眠外来:より専門的な検査・治療が必要な場合
(参考:一般社団法人 起立性調節障害改善協会/品川メンタルクリニック/banno-clinic.biz)
5、まとめ
・朝起きられないのは怠けではなく、体や心の不調が関係している
・睡眠環境や生活習慣を整えると改善の可能性がある
・強い症状が続くときは早めに医療機関へ相談することが大切
この三つを覚えて今後の朝のコンディションを改善していきつつ、改善後も油断せずに維持していくことも忘れないようにしておきましょう!
6、FAQ
Q1. 朝起きられないのはうつ病のサインですか?
- うつ病の患者には睡眠障害が多く、朝起きられない・日中過眠といった症状が出ることがあります。気分の落ち込みを伴う場合は心療内科へ。
Q2. 子どもが朝起きられないときの対応は?
- 「怠け」と叱るのではなく、生活リズムを整えることが第一歩。改善が見られない、頭痛や立ちくらみを伴う場合は小児科の受診を。
Q3. 目覚ましが聞こえないほど起きられないのは病気?
- 単なる寝不足のケースもありますが、睡眠時無呼吸症候群や過眠症が隠れている可能性も。頻繁に起こるなら睡眠外来で検査を受けましょう。
関連サイト
睡眠障害は何科を受診すれば良いか?
https://banno-clinic.biz/which-specialist-do-i-need/
「眠れない」だけで病院に行ってよいのですか?受診の目安は
https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/symptom/roan4d5zji5n
朝起きられない原因は?考えられる病気と対処法について解説
https://www.chamomile.jp/blog/cant-wake-up-morning
不眠が続くときに知っておきたい体の変化と対処法~病院への受診の目安
https://kobe-kishida-clinic.com/about-endocrinology-department/insomnia-causes-treatment/
「朝起きれない」原因と対策|病気の見分け方も解説
https://www.shinagawa-mental.com/othercolumn/62296/
睡眠障害で受診するなら何科がよいの?病院へ行くタイミングや
https://fastdoctor.jp/mental/columns/sleep-disorders-department
眠れないまま朝を迎える理由と治療法5選!病院受診の目安は?
https://sanyokai-clinic.com/kokoro/3221/


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