最近つらい…それ更年期?症状と対処法まとめ

心/精神的な悩み

 

なんだか体調が安定しない」「気分が落ち込みやすい」「夜中に目が覚めることが増えた」――。40代以降の人にこうした変化が出てきたら、更年期の影響が関わっている場合があります。

本記事では、更年期の基本から代表的な症状、原因、改善のための方法までを整理しました。厚生労働省や専門学会などの公的な情報をベースにまとめていますので、安心して参考にできます。

 

 

1、 更年期とは? 主な原因と症状

基本的な理解として、更年期は女性特有のものではなく、男性にも起こり得ます。ここでは、更年期の原因や症状について解説します。

 

ホルモンバランスと更年期の関わり

 更年期の不調の中心には、男女ともにホルモンの分泌変化があります。

 

・女性の場合

 卵巣機能が低下して、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が急激に低下します。エストロゲンは骨や血管、自律神経の安定に関わるため、減ることで「ほてり」「汗」「不眠」「動悸」「気分の落ち込み」といった症状が出ます。

  ※エストロゲン:妊娠や出産に不可欠で、女性の体を形作る代表的なホルモン。

 

・男性の場合

 年齢とともに男性ホルモン(テストステロン)が徐々に減少し、「疲労感」「意欲の低下」「性欲の減退」などが出てきます。
  

  ※テストステロン:男性ホルモン群「アンドロゲン(いくつか種類がある男性ホルモンをひとまとめにした呼び名」の中でも中心的な働きを持つホルモンで、体力や精神面に大きく影響します。

 

  更年期は男女ともに、ホルモンバランスの変化が原因で心と体に影響が現れる時期です。

 

ストレスや生活習慣との関わり

 40〜50代は仕事や家庭の負担が増える時期。睡眠不足・過労・介護や子育てによるストレスが重なり、自律神経が乱れて症状が悪化します。

 さらに、偏食・運動不足・喫煙・飲酒といった生活習慣もホルモンのバランスを乱す原因となります。

更年期に多い主な症状

更年期の症状は個人差が大きく、身体面と精神面の両方に現れるのが特徴です。

 

更年期症状の代表例(表)

分類主な症状背景特徴
身体的症状ほてり・多汗・めまい・頭痛・肩こりエストロゲン低下で自律神経が乱れる気づきやすい
精神的症状不安・イライラ・抑うつ・集中力低下ホルモン変化+生活ストレス見落とされやすい

身体の症状は受診につながりやすいですが、心の症状は「気のせい」と思われがちです。

 

症状が重くなりやすいタイプ

 出やすい人の特徴

 女性 : 若い頃から月経不順(生理の周期がいつもより早くきたり遅れたりして、リズムが安定しないこと)が多い人、冷え性肩こり片頭痛など慢性的な不調がある人。

 男性 : 疲労感性欲低下を「加齢だから」と放置しがちという理由で気づいたときに症状が強くなっているケースが多いです。

 共通 : 強いストレスを抱えている人、睡眠不足不規則な生活が続いている人。

 

 軽く済みやすい人の特徴

 規則正しい生活習慣を維持する人

バランスの取れた食事を続けている人。

 適度な運動を習慣化

ストレス発散がうまくできている人

 冷え性の人:温活(湯船に浸かる、温かい飲み物、生姜・根菜の摂取)。

 ストレスが強い人:深呼吸・マインドフルネス・軽い運動で自律神経を整える。

 睡眠不足の人:夜更かしを控え、寝る前のスマホ習慣を見直す。

 「どんな体質や生活習慣がリスクになるか」を理解し、自分に合った工夫を取り入れることが、症状を和らげます。

 

 

 

2、更年期はいつ始まりいつ終わるのか

「更年期はどの時期に始まり、いつ頃終わるのか?」はよくある疑問です。

 

 ・女性の場合

閉経を中心とした約10年間(おおよそ45〜55歳)が対象となります。【国立成育医療研究センター,2022】。ただし、40代前半で始まる人もいれば、50代後半まで続く人もいます。

 ・男性の場合

 女性ほどはっきりした境目はなく、40代後半〜50代以降に不調を訴える人が増えます。変化がゆるやかで「年齢のせい」と誤解されやすいのが特徴です。

 更年期の期間や症状の出方には個人差があり、体質や生活習慣が影響します。

 

年齢ごとの更年期の目安(表)

※あくまで平均的な目安で、全員に当てはまるわけではありません。

年代状況よくある変化
40代前半早めに始まる人あり生理不順・疲れやすさ
40代後半更年期が始まる人が多い不眠・発汗・ほてり
50歳前後閉経期にあたる身体・精神面の不調がピーク
50代後半以降徐々に落ち着く症状が軽くなる人が増える

 

 

3. 更年期の改善と対策

更年期のつらさは「生活習慣の改善」と「医療のサポート」を組み合わせることで和らげることが可能です。

 

対処法の比較表

方法特徴メリット注意点
生活習慣改善食事・運動・睡眠の見直し副作用なし継続が必要
漢方薬体質に合わせて処方のぼせ・不眠に対応専門家相談が安心
サプリメント手軽に始められる大豆イソフラボンなど効果に個人差
HRT医師による治療効果が高いリスク管理が必須

  まず生活習慣を整え、それでもつらい場合は漢方・サプリ・HRTを検討する流れが推奨されます。

 

食事・運動・睡眠によるセルフケア

 食事

 女性大豆イソフラボンでホルモン様作用を補い、カルシウム・ビタミンDで骨を守る。
 男性:タンパク質・亜鉛(肉・魚・卵・牡蠣)でテストステロン維持。オメガ3やビタミンDで体力低下を予防。

 運動


 ウォーキング・軽い筋トレ・ヨガを継続することで血流改善&自律神経が安定。無理せず少しずつ始めることが大切。

 

 睡眠

生活リズムを整え、寝室の環境(光・温度)を工夫することで質の高い休息がとれる。

  男女ともに副作用なく取り入れられる方法です。

 

漢方薬やサプリメントの活用方法 

漢方薬は体質や症状に応じて処方され、複数の不調をまとめてケアできるのが強みです。

 サプリでは大豆イソフラボン・ブラックコホシュ・プラセンタなどが知られています。始めやすい反面、効果のあらわれ方には個人差があるため、注意が必要です。

 

 自己判断ではなく、必要なら医師や薬剤師に相談するのが安心です。

 

ホルモン補充療法(HRT)と医療機関の活用

 症状が強く生活に支障がある場合は医師の診断が必要です。

HRTで不足したエストロゲンを補い、ほてり・不眠・発汗などを改善します日本女性医学学会,2021】。

※HRTとは「ホルモン補充療法」の略で、減ってしまった女性ホルモン(エストロゲンなど)を薬で補う治療法です。

 ただし乳がん血栓症のリスクもあるため、必ず医師の管理下で行う必要があります。強い抑うつや不安がある場合には、向精神薬が処方されるケースもあります。

 我慢せず、医師に相談することが更年期対策に必要です。

 

4、まとめ

 更年期は誰にでも訪れる自然な変化ですが、ホットフラッシュや不眠など典型的な症状が強く出る人もいれば、ほとんど感じない人もいます。生活習慣を整え、セルフケアを続けつつ、必要に応じて医療を利用することで安心して過ごせます。

 

 

5、FAQ

Q
1. 更年期は何歳から始まりますか?
A

一般的には45〜55歳が多いですが、40代前半から始まる人もいます。閉経を中心に前後10年が目安です。

Q
2. 更年期はどれくらい続きますか?
A

平均4〜5年ですが、体質や生活習慣で長引くこともあります。

Q
3. 男性にも更年期はありますか?
A

あります。LOH症候群と呼ばれ、疲労感や性欲低下、気分の落ち込みなどが出ます。女性に比べてゆるやかな変化です。

Q
4. 更年期サプリは役立ちますか?
A

大豆イソフラボンやブラックコホシュなどの成分が注目されています。ただし効果は人によって差があり、医薬品ではないため過信は禁物です。

Q
5. 受診の目安はいつですか?
A

不眠や強い落ち込みで生活に支障がある場合は早めに医療機関を受診してください。

 

 

関連サイト

  1. 日本女性医学学会(旧・日本更年期医学会)
     更年期障害に関する学術的・臨床的な情報を提供。学会のガイドラインや研究発表も参照できる。 日本女性医学学会
  2. 日本産婦人科学会(更年期障害)
     一般向けに更年期障害の症状や治療を解説しているページ。信頼性の高い医療機関情報も掲載。 日本臨床腫瘍学会
  3. エンジョイ エイジング(久光製薬運営)
     更年期を前向きに過ごすためのセルフケア法や専門医探し情報が載っている情報サイト。 久光製薬
  4. 更年期ラボ
     更年期障害の症状・原因・対策を詳しく解説するメディア。図表・Q&Aが豊富で読みやすさも良い。 更年期ラボ
  5. 女性の健康とメノポーズ協会
     更年期後も含む女性の健康全体をテーマにし、治療法・医療機関情報なども公開。 女性の健康とメノポーズ協会
  6. 更年期相談室(輝き続ける女性のミカタ)
     専門家監修の信頼性の高い情報を掲げ、更年期医療・セルフケアの情報発信をしているサイト。 更年期相談室|輝き続ける女性のミカタ
  7. TRULY(フェムテックメディア)
     更年期を含む健康・性・ライフスタイルに関する情報と体験談を発信。男女向けの視点がある。 TRULY

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